欠陥被害に遭わない為のチェックポイント−2

4.モデルハウスに騙されない

 家を建てる人の殆んどが、まず最初に住宅展示場のモデルハウスを見に行きます。しかし、このモデルハウスには秘密が隠されています。他社との競争に勝つ為に材料は全て高級品が使われ、かなり現実離れした豪華な仕様になっています。家具にいたっては、実際よりも小さな物を置いて部屋が大きく見えるような工夫をしています。モデルハウスをみて夢見心地になって、契約をして実際に家が建つと、現実との違いにがっかりすることになってしまいます。モデルハウスで応対する営業マンは、決して「あなたの予算ではこれと同じ建物は建ちません」とは言ってくれません。
 マンションのモデルルームも同様で、建物内部に設けるモデルルームは、日当たりや眺望が優れたタイプを使用します。
 モデルハウスを見る場合は、別世界だという認識が必要で、自分たちの建物とは何が違うかを確かめるという視点をもつ必要があります。

5.契約は急がず慎重に

 木造軸組工法は昔から日本に伝わる工法で、日本の気候に適し、設計の自由度や増改築のしやすさで選ぶならこの工法です。しかし、材料の値段や質もピンからキリまであり、見えないところで安い材料を使われる可能性もあります。
 ツーバイフォー工法はパネルの材料が合板で、どんな会社でも同じような材料を使います。しかし、構造上の制約が多いので、後で増改築をしようという時に、この壁が動かせない、あれもこれもできないといった事が少なくありません。
 他にも様々な工法がありますが、どの工法で建てても完成してしまえば外見は区別がつきませんが、これらの工法の長所や短所をよく知っておかないと、後悔する事が多々あります。現在では様々な雑誌でこれらの工法の説明をしています。ご自分の環境や希望に照らし合わせて、よくご検討ください。

6.必要以上に値切らない

 
住宅メーカーは、意外と簡単に値引きをします。しかし、そこで簡単に「やった」と喜んではいけません。前にも書きましたが、メーカーは自分の取り分だけを抜いて下請けに工事をさせるので、多少値引いても自分たちの懐は痛みません。値引かれた分、下請け業者は材料費を落とすか人件費を減らして採算を合わせるしかありません。思わぬところで痛い目に遭う可能性があります。
 「同じような立地の同じような家なら値段はほぼ同じ」という事を頭に入れておきましょう。もし価格差があるのなら、何らかの原因(工事がいい加減、材料が安い等)があると考えるべきです。

7.ブーム・法改正時期に注意

 過去に法改正が行われた時期に建てられた建物には、欠陥が多く存在しています。昭和40年代は日本列島改造論が叫ばれ、建設ブームが巻き起こり、建物だけでなく橋や高速道路も数多く建設されました。セメントに混ぜる砂が不足し、海から採った砂がたくさん使われました。コンクリートは塩分に弱く、よく洗って塩分を落とせば問題ないのですが、手抜きをして洗っていない砂も大量に使われました。皆さんの記憶に新しい消費税導入の時もそうです。駆け込み受注がたくさん行われ、施工会社が過密スケジュールをこなすために、手抜きや仕上げがズサンな例が数多くありました。バブルの時期もそうです。地価が暴騰し、金になるとこれに目を付けた素人業者が増え、欠陥を造り続けました。
 ブームや法改正の時期は、業者もオイシイ話をもってきます。これにつられないで、冷静に判断してください。


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