今からでも遅くない欠陥チェックポイント−2 (建売・中古住宅購入の場合も含む) 5.壁の傾き・凹凸 壁の端に立って、顔を壁に付けるようにして壁全体を見渡し、凹凸がないかを確認してください。目視で凹凸が確認できるようなら、下地に何らかの不備があることが考えられます。また、同様の方法で建物の傾きもわかります。壁面と離れた場所にあるドア枠・窓枠とを重ねてみてください。重ならずに隙間があれば、どこかで建物が歪んでいる可能性があります。 次にクロスのねじれシワを探してください。施工不良の場合は貼り直せば済みますが、建物全体がねじれてボードの継ぎ目でズレが生じている場合は、大規模な補修が必要です。 6.床のきしみ・傾き 住宅のクレームの内、非常に多いものの一つに床のきしみがあります。全室をくまなく歩いてチェックしましょう。 床がきしむ原因は、 @よく乾燥していない材料を使用した A根太の間隔が基準より広い B細い材料を使用している C地盤沈下で建物が傾いた 等が考えられます。 次に床の傾きを調査してください。ゴルフボールやピンポン玉を床に置いてみれば簡単にわかります。しかし施工誤差がどうしても発生するので、1箇所玉が転がったといってすぐに欠陥だと決め付ける事はできませんので、様々な場所で試してください。傾いている場所が多ければ、施工の不具合や構造的な欠陥、不同沈下の疑いがあります。 7.建具の開閉不良 建物が傾いたり床がたわんだりした場合、その影響は最初に建具に現れます。建具の開閉がスムーズでない場合は、危険の最初の兆候だと思って間違いありません。全てのドアや窓がスムーズに開け閉めできるかを繰り返し調べましょう。ドアが上下の枠に当たらないか、サッシと窓枠の間に隙間がないか、開け切って反対側に隙間がないかもチェックしてください。また、敷居が傾いたり沈んだりすることも多いので、襖が敷居から浮いた場所がないかも調べてください。 8.雨ジミ 屋根は常に風雨や太陽にさらされ、建物の中で一番過酷な条件におかれた部分です。少しでも工事にミスがあれば、最初は大丈夫でもだんだんと症状が進行し、室内に雨ジミができた時には、既にかなりの雨が内部にまわってしまっています。軒先まわりと、点検口から屋根裏を覗いてみてください。ここに雨ジミの跡があれば、大なり小なり雨漏りが進行している証拠です。 また、給排水管からの水漏れや結露によって、室内にシミができる場合もあります。 9.結露・カビ 建物の内部には、暖房している部屋のガラス窓、洗面所・脱衣所のガラスや鏡、洗面器の裏側という具合に結露する場所がたくさんあり、結露の全てを欠陥と決め付けるのは正しくありません。外に面した押入れや収納に結露やカビが異常に発生したら、断熱工事の手抜きの可能性があります。断熱材が隙間なく入っていないと、結露の原因となるばかりか、冷暖房効果も薄れてしまいます。床下や天井裏を覗けば断熱材の有無が確認できますが、壁の中は工事中か壁を剥がさないと確認できません。 10.排水不良 台所や洗面所の排水口に蓋をして水をいっぱいにため、排水し終わるのにかかる時間を計ってください。1分間に約29リットル流れるのが理想なので、これ以上時間がかかるようなら一度排水管の掃除をしてください。改善できないようなら、欠陥がある事が考えられます。 11.床下の汚れ 床下収納庫を外して床下を覗いてください。丁寧な仕事をする職人は、掃除も丁寧に行います。掃除は現場の基本です。もし、建築途中の材料や木屑が落ちているなら、しっかりと監理されている現場でなかったということです。私が調査に入った現場でも、床下が汚い現場には必ず多数の欠陥がありました。 戻る |
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