新生児の反射的反応U    

■先月号からの続き☆とマメ知識■
新生児・乳児期の神経系は、身体のあらゆる器官のうちで最も早
く発達する。新生児はすでに成人と同じ約136億5300万の神経細
胞をもって生まれているが、細胞相互の連絡ができていないため
行動はきわめて限定されている。しかし、乳児期の間に運動・感覚
・知識などの領域の髄鞘化が急速にすすみ、それらの機能が急激
に発達する。脳の発達は、重量の増加である程度知ることができる
が、生後一年間の脳重量の増加率は人間の一生の間で一番大き
い。出生時の脳の重さは350gで成人の約25%であるが、1歳では
800gぐらいになり成人の約60%に達する。



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 把握反射 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
ダーウィンが進化論において問題にしたところから、ダーウィン反射とも呼ばれる。手のひらに触れた
ものをしっかりと強い力でにぎる反射である。生後1ヶ月間は握力が強く、自分の体重を支えることが
できるほどのである。また、足のつけねの部分に触れると、それをつかもうとするような足指の屈曲が
みられる。手の反射は4ヶ月ごろまで続き、その後は大脳皮質の統制を受けた随意的な把握運動に
きりかわる。足の反射は10ヶ月頃まで続く。

■■■ 逃避反射 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
手のひらや足の裏などに針などで痛刺激を与えると、手足を急に引っ込める反射である。生後2〜
3ヶ月で消失する。
■■■ 起立反射 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
からだを支えて足の裏を平らな台につけると、連続的な脚の屈伸運動が生じる。この反射は生後3ヶ
月頃消滅する。