新生児の反射的反応    

人間の生まれたばかりの赤ちゃん(新生児)には、他の動物と同じよう
に生命を維持するために備わっている反射という反応体系をもってい
ます。新生児に備わる反射の多くは、彼らが正常に発達する約6ヶ月
以内に消失し、随意運動に切り換えられていきますが、少なくともそれ
までは新生児の行動の中で重要な位置をしめています。
新生児にみられる反射はかなり多く、その中には役割の意味不明なも
ものもあり、おそらくそうした反射は、種の起源にさかのぼれば有効に
機能した時代があったのかもしれません。
主な反射のうち8項目を掲載します。
周囲に生まれたばかりの赤ちゃんがいたら、これを参考に
観察してみてください♪



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 口唇探索反射(乳さがし反射)■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
新生児の口の付近に軽く触れると、その方向に顔を向け、口で探すような反応をする。この反射は
乳首の位置を探しあてる行動で、生後2〜3ヶ月で消失する。

■■■ 吸啜反射 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
口唇探索反射によって首尾よく刺激物を口に含むと、それを勢いよく吸う反射である。食物摂取とい
う意味で生命維持に合目的な反射である。出生時にすでに備わっており3〜4ヶ月で消失する。食物
へ条件づけられた反応に変化していく。
■■■ モロー反射 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
急に支えを失ったり、突然の強い光や振動、大きな音などによって誘発される。両腕をひろげ、手の
ひらを開いて、それから胸の前で何かを抱きこむように反応する。モロー(Morro,E.)は、この反射が
ヒトを除く霊長類の親の発する警戒音に続いてみられる子どもの「抱きつき反射」に類似していること
から先祖帰りの反応とみている。生後3〜4ヶ月で消失するが、脳障害児でしばしば顕著に残る。。