〔子育てマメ知識〕 |
こちらでは、子育てに関するマメ知識をご紹介します。
文章が多く若干難しい言葉も入りますが、私たち大人にはなかなか分からない
子どもの心理&世界を少しでも理解する糸口になれば・・・と思います。(児童心理学より) |
■■■ 自己の認識 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |
私たちは、自分の身体的特徴や性格や能力を思い浮かべることができるし、何らかの社会集団に所属して地位と役割をもっていること、種々の人達と多様な社会的関係をもっていることなどを知覚することができます。また、いろいろ感じたり、考えたり、判断して行動しているのは自分であることを知っています。このように、自己を他者と明確に区別して認識した時の自己を自我といい、自我は日常自分という気持ちあるいは「自己意識」として経験され、発達的には人格発達の核として重要な役割をはたします。
しかし、このような自我もしくは自己意識は、生得的なものではありません。誕生後しばらくの間、乳児は外界と未分化な状態にあります。母親にすべての要求の充足を依存していながら、母親と自分の判別すらありません。では、乳児はいつ、どのようにして自分の存在に気づき、他人と異なる存在としての自分自身の意識を持つようになるのでしょうか。。。 |
■■■ 5ヶ月前後 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |
自己意識の発達は、乳児が外界と自己との間の物理的境界を知ることから出発すると考えられています。生後5ヶ月前後の乳児は、しきりに自分の手や足の指をなめたり噛んだりしていて、時に力いっぱい噛んでその痛さに泣き出すこともあります。それは、手や足が自分の身体の一部であるという認識が薄いためでしょう。また、遊んでいる玩具で思いきり自分の頭をたたいて泣いたりするが、おそらく自分で自分をたたいたという自覚はありません。5ヶ月くらいまでは、まだ自己の身体的な領域の感覚は、手や足の凝視、自分の指を噛むと痛いが玩具や毛布を噛んでも痛くない、あるいは手足が随意的に使えるようになるなどの経験を重ねるうちに、しだいに意識化さていくと考えられています。 |
■■■ 6ヶ月から ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |
乳児は、生後6ヶ月頃から親や周囲の事物をかなり正確に認知できるようになり、移動運動の発達とともに外界への探索活動が活発になる。こうした発達は、自分のいろいろな要求とそれを満足してくれるものとの間のギャップに気づかせます。例えば、自分と一体だと感じていた母親が、自分の要求をいつも即座に満させてくれないことを知ったり、積木がなかなか口に入ってくれなかったりして、自をとりまく外界の現実は、自分の思い通りに動かないことに気づき始めます。そして、このような自分と外界との対立の経験から、自他の境界を一層分化的にとらえ、「自分ではないもの」の存在を認知しはじめていきます。
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■■■ 10ヶ月から ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |
生後10ヶ月頃になると、乳児は、すでに習得した技能を使って行動し、探索し、環境を変化させることに喜びを見出すようになります。障子や新聞を破ったり、棒で玩具を叩いたり、何か面白そうなことがないか探し回ることが極めて楽しいことになっていきます。しかし、そうした行動がいつも自由に許されなくなってきます。乳児が成長するにつれて躾が始まり、親や家族がしだいに動に制限を加えたり、干渉したりするようになります。要求の阻止にあって、乳児はフラストレーションに陥り、要求を阻止するものに反抗します。そして、乳児は、反抗することによって他者の意志とぶつかることになるのです。とりわけ、「自分でないもの」の中で一番愛する母親による要求の阻止は、時には自分に対する拒否と感じられ、大きな悲みや不安を与えます。その結果として、他に対するものとしての「自己」をいう意識がしだいに明確になっていくのです。一般的に2歳頃までには、自分と対立するものとの関係から自己を意識するようになり、言語発達とともにあいまって次第に明瞭な自己意識をもつようになっていきます。 |
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