本葬と密葬

 
 訃報を受けたときに、「葬儀は密葬で行いますので」と告げられることがあります。密葬とは、本葬の前に
遺族や親族だけで行う葬儀のことを言います。後日、社葬や団体葬が予定されている場合などに、この密葬が営まれます。身内だけで葬儀を済ませても、本葬の予定がないときは、密葬とは呼びません。
 密葬は、遺族や親族などごく親しい人たちだけで執り行うものです。したがって告別式は行わず、一般会葬者を迎え入れる準備もしません。「密葬で」と言われたときは、後で行われる本葬に出席するのが普通です。
 しかし最近では、社葬などはあまりに多くの人が参列し、形式的になることも多いため、密葬としてではなくその家の葬儀として、普通に通夜と葬儀・告別式を行うことも増えています。本葬の前に、親しかった人たちだけで故人を見送ろうという考え方です。
 ほかに密葬を行うケースとして、年末年始に亡くなった場合があります。このときもまず遺族だけで通夜と葬儀を挙げ、松が明けてから本葬を行うのです。また、海外などの旅先で亡くなり、遺体を自宅まで引き取るのが困難な場合も、現地で密葬してから遺骨にして持ち帰ることがあります。
 いずれにしても、後日行われる本葬は、荼毘に付された後の遺骨で執り行われます。このときは通夜は営まれず、葬儀と告別式のみが行われます。

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