がんを防ぐための12ヵ条
(財)がん研究振興財団広報資料「がんを防ぐための12ヵ条」より
(がんのリスクファクターを排除するという考え方)
1 バランスのとれた栄養をとる
食品の中には、遺伝子に作用し、突然変異をおこす物質があり、反対に変異原性を抑える物質もある。したがって、偏らず色々なものを食べると、それだけ相殺効果が期待できる。
2 毎日、変化のある食生活を
食品の中には、微量の発がん物質が含まれているものがある。(例えば、ワラビなど)たくさんの量を毎日食べるのは避けたほうが良い。
3 食べ過ぎをさけ、脂肪は控えめに
動物実験で、好きなだけ食べさせたグループと、食事量を60%に制限したグループとでは、制限グループのほうが発がん率が低く、長生きだった。
脂肪分の高い食事をとったときは、その消化を助ける胆汁の分泌量は増加する。その胆汁酸の一部が大腸へ行き、腸内細菌が作用して、がん促進物質に変貌する。
4 お酒は程々に
アルコール濃度の高いお酒(ブランデーなど)を飲む習慣のある住民の間には、昔から食道がんが多いといわれている。アルコール自体には発がん性はないが、がんを促進する作用(粘膜を傷つけるなど)が認められている。
5 たばこは吸わないように
たばこと「肺がん」や「その他のがん」との関係が深いことは、よく知られている通り。肺がんでは、70歳における相対危険度(非喫煙者に比べて喫煙者はどれくらいがんになるか)は約10倍になる。
6 食べ物から適量のビタミンと繊維質のものを多くとる
ビタミンA、C、Eには、発がんを防ぐはたらきもあることが知られている。また、食物繊維には、善玉の腸内細菌(ビフィズス菌など)を増やす(胆汁酸の分解を高める)機能やコレステロールを吸着して排出する、糖分の吸収を抑えるなどの働きがある。(がんだけでなく、他の成人病に対しても予防的に働く。)
7 塩辛いものは少なめに
食塩そのものには、発がん性はない。しかし、高濃度の食塩の浸透圧によって胃の粘膜細胞が壊され、それを再生しようとするときに発がん性物質があると、がん化が起こると考えられている。日本でも胃がんの多い東北地方の食塩摂取量(15ゥ以上)は、胃がんの最も少ない沖縄(約8ゥ)の約倍となっている。
8 焦げた部分はさける
肉や魚の中のアミノ酸が加熱されて「ヘテロサイクリックアミン」が生じるがこれには、発がん性がある。「こげ」だけをたくさん食べるのは良くないとされている。
9 かびの生えたものに注意
2次的に発がん物質を産生する場合がある。(かびたピーナッツで発見された糸状菌の一種が発がん物質アフラトシキン(肝がんの原因になる)を産生する。
10 日光にあたりすぎない
長時間浴びると遺伝子が傷つけられ、突然変異をおこすことがある。
11 適度にスポーツをする
ストレスを解消し、健康を維持する。(効果は科学的には、完全解明されていない。)
12 体を清潔に
体を洗う設備の不十分な地域に子宮頸がんが多いことなどが知られている。