自動車盗難の実態と対策について


近年、自動車の盗難が急増していますが、自動車を盗まれないようにするにはどのようにしたらいいのでしょうか? 各種の防犯グッズもカー用品店などで販売されていますが、それ以前のこととして、ちょっと車を離れる場合でも必ず鍵をロックし、窓ガラスも完全に閉めることが大事です。 「そんなのは当たり前、自分はできている…」などと思っていても、現実に、盗まれた人の約4割が鍵を付けたまま盗まれているのです。また、車内やバンパーの裏側などにスペアキーを置いてはいけません。車の駐車場所ですが、路上駐車はやめ、出来れば管理人のいる駐車場を選び、夜間でも明るい場所を選びましょう。2003年の自動車盗難認知件数が過去最悪を記録(日本全体で64,223件)でする中で、自動車ユーザーの自己防衛行動がますます重要になっています。95%の人が盗難が多発している事実を認識しているにもかかわらず、依然として28%の人は自分の車が盗まれる危険性を全く感じておらず、自動車盗難は他人事という意識がまだまだ強いようです。
車内に貴重品を置かない…95%」、「明るいところ、見えやすいところに駐車…79%」などは多くの方が実践していますが、「駐車場に工夫(盗難対策)している…23%」をはじめ、「市販の盗難防止関連装置を装着している…10%」と費用のかかる対策は進んでいないようです。 しかし、警察庁の調査では、盗まれた車の71%(45,655台) がキーを抜いていたにもかかわらず被害に遭ったものであり、費用がかかる積極的な対策も必要となっています。およそ8人に1人(12%)が、クルマから離れるときの施錠が不十分であり、特に軽自動車の所有者では17%、商用車では26%と高くなっています。
高級乗用車以外の割合が大幅に増加
 盗難車のうち3割を超えていた高級乗用車の割合が、年々減少し今回調査では2割を切った。これは、最近の高級乗用車の多くにイモビライザ(盗難防止装置)が装着されているためで、イモビライザ未装着車に窃盗団のターゲットが広がっており、「狙われるのは高級車。普通の車は大丈夫」といった認識はもう通用しなくなってきました。
万一、車を盗まれてしまった時は、すぐに警察に届け、車両保険に入っていれば、保険会社にも連絡することが大切です。早ければ早いほど、盗難車が発見されるチャンスが多くなります。また、盗難車が他の犯罪の足に使われるケースもあり、すばやい届け出が必要です。また軽自動車や配送中の商用車も狙われています。クルマから少しでも離れる時は、必ずキーを抜きドアロックしましょう。また盗難の頻発に対応して各種の防犯機器も開発されています。
・人の動きで照明がつくセンサーライト(自宅の駐車場等に設置)
・ハンドルやブレーキなど運転装置を固定するもの
・車体のわずかな動きを感知して作動する警報・通知装置
・エンジンキーに埋め込まれているトランスポンダ(電子チップ)のIDコードと、車両本体内の電子制御装置にあらかじめ登録されていたIDコードが一致しないとエンジンが始動しない、電子式ロック装置(イモビライザー)を搭載した車種も普及しつつあり、盗難抑止効果が期待されています。 実際にイモビライザ搭載車・非搭載車の販売台数に占める被害台数の割合は搭載車が非搭載車の2.7〜8.6倍の盗難防止効果があるようです。

平成15年中の盗難率ワースト15
1, アリスト 2,ランドクルーザー 3,セルシオ 4,シーマ 5,インテグラ 6,スカイライン 7,キャンター
8,セドリック・グロリア 9,エルフ 10,クラウン 11,ベンツ 12,ハイエース 13,マーク2 14,シビック
15,カローラ・スプリンター

車上あらしについて
被害品の第1位は「オーディオ」!
 車上あらしの被害品第1位はオーディオで、その後に、第2位:カーナビ、第3位:金銭/カード、第4位:バック類の順で続く。

高級車・輸入車は「金銭/カード」、軽自動車は「オーディオ」が危ない!
 車のクラス別に被害品を分析したところ、高級乗用車と輸入車は「オーディオ」、「カーナビ」の盗難が少ない一方、「金銭/カード」などが多いことが分かった。
スポーツ車は「タイヤ・ホイール」の盗難が顕著であり、軽自動車の被害品は圧倒的に「オーディオ」が多い。

車上あらしの平均被害額は25万円
 車上あらしの平均被害額(保険金支払額)を求めたところ、25万円であった(車両本体盗難の平均被害額は193万円)。また、車両本体盗難と比べて、(1)軽自動車とミニバン・ワンボックスクラスなどの被害が多く、RVクラスなどは比較的少ない、(2)日中(9-17時)に被害に遭う比率が高い、(3)盗難場所は自宅(屋外)が最も多い、という特徴が明らかになった。車上あらしは、車両本体盗難と比べて、軽自動車や量販車が被害多発車に多く含まれ、また「その他(上位10車以外)の車種」が占める割合も高い。車上あらしの犯人は、より幅広い車種を対象として犯行に及んでいることがうかがえます。

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