年金制度の基礎知識−日本の年金制度の体系−


昨今の年金の財源不足・未加入者の問題・改正について新聞やニュースに出ない日が無い位話題になっております。公的制度の給付額が現時点より減る可能性が大きいと予想される中、これからは自己責任において将来困らないようにしなくてはなりません。
年金制度は、国が管理運営をし、全国民が加入を義務づけられている公的年金と、企業や個人が独自に加入する私的年金の二つに分けられます。一口に年金といっても、おなじみの国民年金や厚生年金に加えさまざまな年金が存在します。

国民年金
基礎年金とも言い、20歳以上の全国民が加入する公的年金です。25年以上の加入期間があれば、65歳から一定額の年金を受け取ることができ、加入者は職業によって以下の通りに分類されます。

年金加入者の分類について
年金の解説で第1号被保険者、第2号被保険者という用語がよく出てきますが、これは年金での加入者の分類。自営業の方とその配偶者の方など、国民年金を自分で支払っている方は第1号被保険者、企業の従業員や公務員など厚生年金や共済年金に加入している方は第2号被保険者、そして、企業の従業員の配偶者など第2号被保険者の被扶養配偶者は、第3号被保険者と言います。

厚生年金
サラリーマン、OL等、厚生年金適用事業所に勤務している人全てを対象として、基礎年金(国民年金)に上乗せして支給される制度で、国民年金に加えて加入することが義務づけられています。毎月の給与の額により掛け金の額が決められており、受け取る額もそれによって異なります。

国民年金基金
自営業者など国民年金加入者の上乗せ年金です。
地域型基金(同一の都道府県に住所を有する第1号被保険者によって組織される)と職能型基金(全国を通じた同種の事業または業務に従事する第1号被保険者によって組織される)の2種類があり、任意加入となっています。掛金は所得控除の対象となります。

企業年金
企業が従業員の福利厚生の一環としてその従業員を対象に設けている年金制度です。代表的なものに、「厚生年金基金」と「適格退職年金」があります。

適格退職年金
所定の要件(法人税法施行令159条に定められている13の適格用件)を満たし、国税庁長官から税制上適格の承認を受けて実施する年金のことです。ただし、2002年4月に確定給付企業年金法が施行された後は新設ができなくなっており、また既存の制度も他の年金制度への移行が義務づけられています。

厚生年金基金
厚生年金にさらに上乗せを行う制度です。 単独型、連合型、総合型があります。個人年金
自分の責任と計画に基づき、老後の生計費等を準備するもので、個人が金融機関にお金を払い込んで、将来その積立金と利子を年金として受け取るものです。保険会社などで個人年金保険商品があります。

確定給付企業年金
2002年4月から施行される確定給付企業年金法により「規約型企業年金」と「基金型企業年金」が創設されます。事業主に対して給付に必要な資産の積み立て基準や加入者への情報開示を義務づけており、積み立て義務のない現行の適格退職年金は10年以内に廃止される他、厚生年金の代行部分の返上も認められるようになります。

公的年金の支給額はいくら?
国民年金では、20歳から60歳になるまで40年間掛け金を払い込んだ加入者には、現在月額で6万7千円の年金が支給されています(平成11年度満額受給の場合)。一方、厚生年金の受取額の平均は月額で約17万円(平成9年度の平均)です。

老後に必要なお金はどのくらい?
高齢者世帯の支出のデータによると、老後の生活のためには、夫婦二人で最低でも月に25〜30万円は必要になってきます。人生80年時代を考えると、これが約15〜20年分必要となるわけです。しかもこれに加えて、万一に備えた予備資金もある程度用意しておくことが求められます。また、老後の生活を充実させるための資金、例えば旅行や趣味のためのお金も考えておかなければなりません。

日本版401kとは?
確定拠出年金のことを日本版401kと言いますが、これはアメリカの代表的な確定拠出年金である401kプランから来ています。401kとは、アメリカの税法である「内国歳入法」の401条(k)項のことで、401kプランとは、401条(k)項に規定された条件を満たした年金制度のことで、日本版401kはアメリカのこのプランをモデルにしたものです。

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