<民事裁判>
 交通事故により加害者となってしまい被害者から訴訟されてしまった場合、通常引受保険会社は受けて立つでしょう。
しかし被害者からの常識を超えた請求(加害者の不誠実によるものは論外)以外、決して訴訟させてはなりません。被害者の常識を超えた請求は裁判官も「何故示談が出来ないのか」を理解し情状酌量してもらえます。 保険会社に「訴訟されたらどうしますか」と聞いた時、ほとんどは「受けて立ちます」と答えるでしょう。しかしそのツケはどこに回ってくるのでしょうか?示談が出来ないから民事裁判になるのであって、死亡事故等大きい事故の際は刑事裁判での実刑判決は免れなくなります。ですから民事裁判は起こさせてはならないのです。
<その他、一般事故について>
不運にも事故に遭遇した場合は事故の大小を問わず必ず警察に届け出てください。
これは自分の立場を立証する為です。また、現場での示談・口約束等はしないで下さい。
 保険会社より当事者同士の約束が優先される為後の変更は不可能で、それが保険会社の見解と違った場合、保険金が満額支払われない場合もあります。その時は事前にご自身の加入している保険会社担当者より名刺を貰っておき相手に見せ、「私はここの保険会社に加入していますので、ここが今回の事故を担当する」旨を伝えた方がよいと思われます。
行政責任
*公安委員会より事故・交通違反を起こした場合の免許証の取り消しや停止処分等
 人身事故(業務上過失傷害罪)の場合は責任を問われます。物損事故では交通違反(例えばスピード違反、信号無視、一方通行逆走等)を問われ無い限りほとんど罪に問われ無いのが現状です。日ごろの違反(スピード違反・一旦停止違反等)が積み重なっていて、その矢先に大事故が発生した場合、刑事事件上、交通違反の常習者と見られ、情状酌量を勝ち取ることが出来にくくなります。したがって常日頃の違反には十分ご注意下さい。またゴールド免許証はもとより、10年以上無事故・無違反の方は優良運転手の表彰を受けておいた方が良いでしょう。万が一の大事故の際、罪が軽減されます。
道義的責任
*事故を起こした場合の人間として取るべき責任
 事故を起こし過失の多いほうが「ごめんなさい。申し訳ありません。」と謝るのは常識です。
 人身事故を起こし、見舞いにも行かず「仕事が忙しいから・・・」と理由をつけ、「後は保険会社に任せたから」という人がいますが、それで示談が出来ると思ったら大間違いです。ケガをした被害者は入院なり通院なりして通常送れるべき生活ができない状態なのですから、せめて加害者として「お見舞いだけは・・・」と思うのが人の道ではないでしょうか。
 死亡事故の場合、特に事故発生から49日間の行動が実刑になるか否かの境目です。この49日間は苦痛に満ちた日々であることは想像を絶します。当然警察での事情聴衆の為に拘留される期間はありますが、終わり次第、毎日被害者宅までご焼香に行くべきです。当然のごとく断られるとは思いますが、それでもめげずに行くことです。それが一番の”誠意”として伝わるものなのです。刑事裁判では”心から本当に悔いて反省しているか”を見て判決を下す訳ですから誠意を持って事故に対処しなければなりません。担当保険会社が必死になって当たることは当然のことですが、当事者と保険会社が一体とならなければ決して円満な解決は望めないのです。

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